私は、
目の前の現実を受け入れる事が出来ず、
その場にひざまずいた、
気分でいた。
まさか、
そんな、
・・・・
あれは?
手だ!!
手が見える!!!
久くん!!!!
僕はここだよ!
と、いわんばかりに、
右手を雪の中から突き出している。
久くん!!!
くそっ
雪が堅い。
氷の塊のような雪に、
ひたすらスコップを突き、
掘っていく。
やっと、
やっと・・・・
顔が見えた!!!
久くん!!!
今、
今、助けてあげるからね!!!
が、
雪は堅く、スコップが刺さらない。
彼に、自由はやってこないのか。
私ではどうにもできないのか。
これ以上は、
久くんを傷つけて(塗装をはがして)しまう恐れがあるため・・・・
ここで、
敢えなく終了。
久くん、
ごめん!!!
溶けない雪はない。
来ない春はない。
久くんも、
悟っているような表情。
なんて、強い子!!!
大丈夫、
久くんなら、
乗り越えられる!!!
たいくつしないように、
目の前だけは・・・せめてもの。
久くん、
またあったかい季節がきたら、
よろしくね。